心はいつも雨模様

記憶より記録

若者が一人、また一人と消えていく

若い社員が、また一人去っていく。

先日は若い営業の方が東京に駆り出され、そして明日は、一年間同じ部署でお世話になった先輩エンジニアの方が、東京に行ってしまう。

私の所属している会社は、社員数30人前後の小さな中小企業だ。やってることは、手を結んでいる大手企業の製品を、お客さんの要望に合わせて少しずつ改変して、それを売っていく。簡単に説明すると、そんな感じだ。

上からの命令に従いつつ、お客さんの要望を聞き入れながら販売していく体勢なので、窮屈な上にとても忙しい。

会社の規模的に、そんな大したことはできないのに、昨年から社長が背伸びをし始め、大企業並みの体制を行使している。社長は、私が入社した時に新たに就任したので、まだピカピカの二年目だ。その社長が社員数なんてお構いなしに、新たな営業所や部署をどんどん立ち上げている。そのおかげで社内はあたふたとしている。

私が入社した時と、現在の会社の姿が、ここ一年でずいぶんと変わってしまった。

新しいことをして、会社を発展させていくのは正しい。現状維持だといずれは衰退してしまうだろう。

しかし、社員数30人前後で、できることは限られる。せいぜい中小企業なりに細々とやっていくのが関の山だ。

何かをやりたいのであれば、せめて新入社員を確保してからにしてほしい。新入社員の確保という非常に重要な活動も満足にできないのなら、どうなるか分からない、未知の事業なんかに手を出さないでほしい。人手不足、人手不足、と嘆くのなら、そこをしっかりすればいいのに。

若者はどんどん東京に駆り出されていく。

残っているのは、昔から働いているおじさまばかり。役職をだらけの会社。女性社員の急な退職。

みるみると痩せていく営業さん。

若者がいない会社は窮屈で仕方がない。

若者の叫び。