心はいつも雨模様

記憶より記録

妄想手紙 ~ 幼馴染へ送る 2通目 (友人) ~

f:id:aimaru105:20170327183915j:plain

    マルイネコ様

拝啓…なんて滅多に書かないから今すごく新鮮な気持ちだよ。ポストの中を覗いた時、マルイネコからの手紙が入っていたから本当に驚いた。丁寧に封をした手紙を見て、相変わらず物好きだなあと、つい笑ってしまったよ。

 東京は、ポツポツと桜の花びらが色づき始めているところもあれば、もうすでに満開のところもある。でもそんなことは関係なく、桜さえあればどこもかしこも周りは人だらけなので、僕は、同僚や友人に誘われない限り桜に近づくことはないかな。せいぜい彼女と二人で遠くから桜を眺めるのが、僕の花見のスタイルだと思う。

 大阪の暮らしはどうだい?仕事は慣れてきたかい?1年はあっという間だからやっぱり慣れないことが多いよね。僕は東京で、マルイネコは大阪で、お互い日本の主要な都市で働いていることになるけど、今考えると本当に不思議だよね。山口県の、周りが山と田んぼしかない田舎町で育ち、あぜ道で虫を探し回ってたアホな少年が、今となっては都会でせっせと働いているんだから。

「内定を取り消したい」と確かにメールで送ったけど、別に悲観的ではなかったよ。泣きついてもいない(笑)むしろ前向きな考えだった。僕はいろんな会社から内定をもらってて、じっくりと考えて一つに選んだんだけど、でもやっぱりそれは自分のやりたい仕事ではなかったから、入社すべきではないと思ったんだ。でも奨学金のこともあったから、結局入社することにして、今に至る感じかな。けっこう順調だよ。時々上司に褒められたりする。それがちょっぴり嬉しい。僕は何とかなってるよ。

 それよりマルイネコのことが僕は心配だったよ。公務員試験、筆記試験はすべて通過したのに、面接試験で全滅したと聞いたときは本当に驚いた。「人生オワタ」って笑いながら電話してきた時、僕は素直に笑えなかった。未だに信じられないけど面接で何かしでかしたのかい?その後腹痛で倒れ、それでも何とか民間企業に滑り込んだと友人から聞いて、さすがやるなあ、と思ったよ。普通の人なら心が折れる。でも無理は禁物だよ。長く勤めればいいってもんじゃないから。どんな仕事でも、自分にとって価値のあるものを見出せなくちゃあ意味がない。

 あんまり仕事のことを話しても堅苦しいし、せっかくだから昔の話でもしようよ(笑)

 僕たちが小学1,2年生の頃だったかな。当時仲の良いグループで僕の家に遊びにきたときがあったよね。その時の事件覚えてる?僕のとーちゃんが海外出張でお土産で買ってきてくれたジャッキー・チェンの人形、僕はその人形がとても気に入っていた。左のボタンを押すと左パンチを繰り出し、右のボタンを押すと右ストレートを繰り出す。それをみんなの前に披露すると「お~」とみんな驚いてくれた。その後「貸して貸して」とみんなが言ってきて僕は渋々貸した。
ゆうちゃん「かっこいいな~」
りょっぱ「しびれるねー」
ひかる「作りが精巧だね」
マルイネコ「面白い顔だね」

 マルイネコから僕の手に渡ってきたとき、ジャッキー・チェン人形がおかしくなっていることに気づいた。左ボタンを押すと左腕が真上をパンチし、右ボタンを押すと右腕が右斜め上をパンチする。いかにも不気味な万歳をその人形は披露した。それを見てみんな無表情だったけどマルイネコだけはお腹を抱えて笑ってた(笑)とーちゃんからもらった大切な人形は二日で駄目になった。今となっては爆笑ものだけど、当時の僕は結構ショックだったんだよ(笑)

 犯人は大笑いしたマルイネコになったけど、あれは本当にマルイネコがやったのかい?

 長くなったけど、こんな感じでいいかな。手紙を書くのは学校の行事で成人になった自分に宛てて書いた、その一回きりだから、なかなか書くのは難しい。でも書いているうちに楽しくなってきたから、文通って実はすごいんだなって思ったよ。
 それじゃあ手紙待ってるよ。
 そっちも体調には気を付けてね。
                                             敬具
 2017年4月1日

                                      ヤマジュンより

 

aimaru105.hatenablog.jp

 

今週観た映画『キングコング:髑髏島の巨神』の簡単な感想

映画の簡単な感想

 巨大生物のリアルさと迫力さの両方を兼ね備えた映像が魅力的で、観るものすべてを圧巻の渦に巻き込むような、そんな映画だった。洋画はあまり観ない(というか映画はそれほど詳しくないので観るたびに新鮮さを感じている)ので、どんな感じなのか不安だったが、映画が始まるとすぐに不安は払拭され、迫力のある世界観に浸ることができた。結構グロテスクな部分もあるので、観るときには注意が必要。最初は誰が主人公なのか分からなかったが、次第に「ああこの人は生き残ってほしいな」と思う人が生き残ってくれたので、おそらくその人が主人公なのかな。パッカード大佐のキングコングに立ち向かう姿は、ハラハラドキドキさせられた。「きっとどこかでやられちゃうんだろうなあ」と思いながら。パッカード大佐の揺るぎない信念を見ていると、それは時に間違った方向へと進んでいってしまうのだと改めて考えさせられた。その融通の利かない信念こそが、戦争の引き金になっているのだと感じた。とても深い映画だなと思った。

劇場内での出来事

 キングコングの投げた巨大な木が、ヘリコプターの真正面から突き刺さった時は、少々驚いた。そのシーンの時は、音が消える技法を使い、ストーリーの展開を際立たせるようにしていたので、劇場内は鑑賞者の寝息が聞こえるくらいの静寂に包まれる。
 その静寂に包まれた、まさにヘリコプターに木がドスンと突き刺さったシーンの時に、どこかの女性の鑑賞者が「うぇ~ん」とおかしな呻き声を上げた。
 すると周りの鑑賞者が皆一斉にフフっと笑い声を上げた。もちろん私も笑った。
 驚いた気持ちは分かるよ。でも「うぇ~ん」は面白すぎるよ「うぇ~ん」は。
 エンドロールを迎えて、帰ろうとしたとき、隣の席に真剣にエンドロールを観ているおじさんがいた。前を通ったら申し訳ないと思ったので、私もエンドロールが終わるまで劇場内にいることにした。すべてが終わり、劇場内が明るさを取り戻したとき、そのおじさんは白目をスクリーンの方に向けたまま、爆睡していた。
 まったく、この映画館には、面白い鑑賞者が、はびこっている。

約半年間、映画に費やした金額

 2016年の秋、「今年は映画の秋にするぞ」と意気込み、週に一度は映画館で映画を鑑賞することを目標に掲げた。しかし2017年に入り、その目標が地味に続いている為、今の私の財政を圧迫している。「継続は力なり」は素晴らしいことだけど、それなりに休憩を取らないと、タイヘンなことになってしまう。
 振り返ると、昨年の秋から今日に至るまでの間、映画館で映画を20回以上鑑賞してきたことになる。最初の5回は会員の割引を使っていないので、1回の鑑賞料金が1800円もかかっていた。

 1800 × 5 = 9000円 ← うまい棒が900本も買える

 その後の約15回は会員登録を済まし、割引を使って鑑賞したので、1回の鑑賞料金が1000円か1300円。基本はレイトショーで鑑賞したので1000円で観ることが多かった。

 1000 × 15 = 15000 ← 旅行で贅沢なホテルに泊まれる
 20回の映画鑑賞の合計
 15000 + 9000 = 24000 ← 名のあるブランド物が買える

 改めて金額を計算してみると、結構かかってるなと感じる。暇な時間を映画鑑賞という素敵な時間に費やせたのなら、非常にプライスレスだと考えるが、ただ、レンタルして観るという手段もある。その方法だとあまり映画の料金がかからないので、私の財政は圧迫されない。
 新作の映画のレンタル料を、一泊二日の300円だと仮定すると、その安さは一目瞭然だ。

 新作レンタルした場合の20回の映画鑑賞の合計

 300 × 20 = 6000 ← うまい棒600本しか買えない

 以上の事から、映画館で観る楽しみもあるけど、新作の映画を借りて鑑賞する方法も、取り入れてみるべきなのかもしれない。