心はいつも雨模様

記憶より記録

野球部の実態

 甲子園で青春の汗を流し、無我夢中に白球を追いかけている野球部員の姿を観ていると、不意に懐かしさが込み上げてくる。なぜなら、かつては私も高校球児だったからだ。最後の練習試合で初めての柵越えホームランを打ったのが、遠い昔の出来事のようで、時間の早さを感じさせる。現在の私の華奢な身体は、野球をやっていたかつての野球小僧には見えず、不健康な引きこもりのそれだ。今回はみんなが疑問に思っているであろう、野球部を取り巻く謎についてダラダラと言及していきたい。

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  • マネージャーと青春ラブストーリーは成立するのか?

 成立しない。残念。恋仲になっても茶化されるだけだし、もし仮に別れでもしてしまうと、気まずい雰囲気のまま部活に取り組まないといけない。部員仲間からも責められる。ゆえにデメリットが大きい。でも絶対ないとは言いきれないので希望は捨てないで。かつてはマネージャーと付き合っていた時代があったんだぜ、と漫画のようなありきたりな青春ラブストーリーを酒の肴にして自慢できる日が来るかもしれない。しかし、基本的には他校の野球部のイケメン君と付き合うことになるので、頑張ろう。

  • 野球って、三振とホームランで成り立っているの? 

 成り立ってない。漫画やアニメは三振とホームランのシーンが多いが、現実の野球はすごく地味。プロのように身体つきや生まれ持ったセンスが備わっていないので、1点の重みがある。フォアボールを誘ったり、バントをしたり、エラーを願ったり、運や工夫を駆使して点を取らなければいけない。メジャーの茂○五郎のようにはいかないぜ。

  • 漫画やアニメはかっこいいセリフが散りばめられていますが、実際はどうなの?

 基本的には何も考えない。感覚的にやっている人が多い。来た球を打ち、そして取る。ただそれだけ。それで精一杯。私の場合は監督がヤクザっぽかったので、なるべく怒られないように努めてた。「これがおれの最高の球だ。打ってみやがれ」「くそ、なんて球だ。でも俺はこの球を打つために今日までずっと辛い練習に耐えてきたんだ。絶対に、打つ」なんていちいち考えない。考えてられない。 

  • なぜみんな坊主頭なの?

 暗黙の了解。坊主にしないと先輩や監督に怒られる。したがって、坊主。

 仮にロン毛だと、ボールを打ったり投げたりするときに、煩わしくなる。なので、坊主。

 スポーツ刈りにすれえばいいじゃないかと思われるかもしれないが、夏の炎天下のグラウンドの上では坊主にしないと熱中症で倒れてしまう。だから、坊主。 

  • なぜあんなに大声を出すの?

 試合の時はチーム一丸となって戦わなくてはいけないので、掛け声がチームワークを形成する一つのポイントになる。それと守備の時は声を出して意思疎通をしないといけない。ぶつかると大怪我をする。

  • サボる人はいるの?

 サボれない。一日でもサボると、「あいつ、なに休んでんだよ!」とブーブー文句を言われる。それは基本的に休んだ奴が羨ましいだけだ。

  • 野球部はなぜ頭が悪い印象があるの?

    基本的に阿保の集まり。野球バカ。ちなみに私は赤点よりプラス1、2点取るのが得意だった。生粋の阿保である。

  • 冬の練習は陸上部より走っているが、意味あるの?

 足腰を鍛えるためには走り込みは大切。ただ走りすぎなのは私も疑問に思う。多くの人が疲労骨折で倒れていたのは、本当に馬鹿げていると思ったよ。

  • 雨の日は嬉しい?

 雨の日はお祭り。練習は軽くなるし、家には早く帰れる。良いことづくし。
    嬉しさあまりに、雨なのにグラウンドを裸で走り回っている阿保がいたよ。でも、そんな面白い阿保がいたから、辛い練習にも耐えてこれたのだと、今になっては思う。

 こんな感じかな。野球とは7年前に縁を切ったので、あまり詳しいことは思い出せない。
 しかし未だに、野球の練習をしなくちゃ、と夢の中で焦る時があるので、野球って恐ろしいなと思う。