心はいつも雨模様

記憶より記録

驟雨日記 "ため息交じりの金曜日"

この世で最も尊い曜日は金曜日。そう答える人の割合は3人に2人くらい、いや10人中9人は口を揃えて金曜日の尊さを訴えるのではなかろうか。

ただ、6月の最後の金曜日は湿っぽかった。プールサイドにいるかのような梅雨らしいジメッとした空気が社内を充満している中、上司のため息もそれと等しく充満していた。

今日、長年(20年以上)会社を支えてきた鬼上司が私のいる部署にお別れのあいさつを言いに来た。本当に突然のことだったので驚いた。

転職なんてありふれた出来事だけど、私のいる会社は中小企業なので、一人辞めるとかなりのダメージを受ける。特に今回辞められる鬼上司は、会社の半分以上の売上を担っている、重要な部署を取りまとめている人だったので、会社の存続を考えると、辞めるなんてあり得ないと思った。でも、今日限りで辞めると、確かに言った。

社会人なってから、別れの連続ばかりだ。入社して1年と数ヶ月が経ち、その間に上司を含め10人の先輩社員が社内から姿を消した。残ったのはお通夜の如く静まり返る社内と、仕事の引き継ぎに追われる上司のため息ばかり。

私も、めまぐるしい日々に、何となくため息を吐く。

ため息交じりの金曜日に、乾杯。