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心はいつも雨模様

徒然なるままに書いていきます。

妄想手紙 ~ 幼馴染へ送る 2通目 (友人) ~

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    マルイネコ様

拝啓…なんて滅多に書かないから今すごく新鮮な気持ちだよ。ポストの中を覗いた時、マルイネコからの手紙が入っていたから本当に驚いた。丁寧に封をした手紙を見て、相変わらず物好きだなあと、つい笑ってしまったよ。

 東京は、ポツポツと桜の花びらが色づき始めているところもあれば、もうすでに満開のところもある。でもそんなことは関係なく、桜さえあればどこもかしこも周りは人だらけなので、僕は、同僚や友人に誘われない限り桜に近づくことはないかな。せいぜい彼女と二人で遠くから桜を眺めるのが、僕の花見のスタイルだと思う。

 大阪の暮らしはどうだい?仕事は慣れてきたかい?1年はあっという間だからやっぱり慣れないことが多いよね。僕は東京で、マルイネコは大阪で、お互い日本の主要な都市で働いていることになるけど、今考えると本当に不思議だよね。山口県の、周りが山と田んぼしかない田舎町で育ち、あぜ道で虫を探し回ってたアホな少年が、今となっては都会でせっせと働いているんだから。

「内定を取り消したい」と確かにメールで送ったけど、別に悲観的ではなかったよ。泣きついてもいない(笑)むしろ前向きな考えだった。僕はいろんな会社から内定をもらってて、じっくりと考えて一つに選んだんだけど、でもやっぱりそれは自分のやりたい仕事ではなかったから、入社すべきではないと思ったんだ。でも奨学金のこともあったから、結局入社することにして、今に至る感じかな。けっこう順調だよ。時々上司に褒められたりする。それがちょっぴり嬉しい。僕は何とかなってるよ。

 それよりマルイネコのことが僕は心配だったよ。公務員試験、筆記試験はすべて通過したのに、面接試験で全滅したと聞いたときは本当に驚いた。「人生オワタ」って笑いながら電話してきた時、僕は素直に笑えなかった。未だに信じられないけど面接で何かしでかしたのかい?その後腹痛で倒れ、それでも何とか民間企業に滑り込んだと友人から聞いて、さすがやるなあ、と思ったよ。普通の人なら心が折れる。でも無理は禁物だよ。長く勤めればいいってもんじゃないから。どんな仕事でも、自分にとって価値のあるものを見出せなくちゃあ意味がない。

 あんまり仕事のことを話しても堅苦しいし、せっかくだから昔の話でもしようよ(笑)

 僕たちが小学1,2年生の頃だったかな。当時仲の良いグループで僕の家に遊びにきたときがあったよね。その時の事件覚えてる?僕のとーちゃんが海外出張でお土産で買ってきてくれたジャッキー・チェンの人形、僕はその人形がとても気に入っていた。左のボタンを押すと左パンチを繰り出し、右のボタンを押すと右ストレートを繰り出す。それをみんなの前に披露すると「お~」とみんな驚いてくれた。その後「貸して貸して」とみんなが言ってきて僕は渋々貸した。
ゆうちゃん「かっこいいな~」
りょっぱ「しびれるねー」
ひかる「作りが精巧だね」
マルイネコ「面白い顔だね」

 マルイネコから僕の手に渡ってきたとき、ジャッキー・チェン人形がおかしくなっていることに気づいた。左ボタンを押すと左腕が真上をパンチし、右ボタンを押すと右腕が右斜め上をパンチする。いかにも不気味な万歳をその人形は披露した。それを見てみんな無表情だったけどマルイネコだけはお腹を抱えて笑ってた(笑)とーちゃんからもらった大切な人形は二日で駄目になった。今となっては爆笑ものだけど、当時の僕は結構ショックだったんだよ(笑)

 犯人は大笑いしたマルイネコになったけど、あれは本当にマルイネコがやったのかい?

 長くなったけど、こんな感じでいいかな。手紙を書くのは学校の行事で成人になった自分に宛てて書いた、その一回きりだから、なかなか書くのは難しい。でも書いているうちに楽しくなってきたから、文通って実はすごいんだなって思ったよ。
 それじゃあ手紙待ってるよ。
 そっちも体調には気を付けてね。
                                             敬具
 2017年4月1日

                                      ヤマジュンより

 

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