心はいつも雨模様

記憶より記録

初めて指導する立場を経験します。

私は生まれてこの方、誰かを指導する立場に立ったことがありません。思い起こせばいつも指導される側にいたように思います。"指導"と聞くと少し堅苦しいイメージがあるかもしれませんが、誰かに対して何かを親身になって教える、いわば講師のような仕事も、私は指導に入ると思っています。

私は小学生時代にたくさんの習い事をしていました。ピアノ、英語の塾、スイミングスクール、習字、野球。小学生ながら忙しなく過ごしていたなあ、と社会人になった今でも思います。さらにその後も、高校受験や大学受験、就職の為の資格取得など、私は常に何かを"教わる"側で人生を過ごしてきました。

今回、社会人の基礎的なスキルを身につけるためのパソコン講座が行われ、私はその補助をすることになりました。実際に教壇に立ってExcelやWordのやり方を教えるのは別の人ですが、質問などがあれば、真っ先に教えに行かなければいけない立場です。本当に補助的ではあるけれど、少なからず指導する立場にあります。ですから、考えるだけでとても緊張してきます。

IT業界で働いてるくせに、パソコンのことなんてよく知りません。キーボードを見ないとまともに文字を打てなかった1年前の私が、1年間プログラミングの基礎的な知識を学んできた程度の実力です。ExcelやWordも業務でそんなに扱ってきませんでした。そんな感じだから、人に教えられるような知識も持ち合わせていないし、何より、丁寧に分かりやすく教えることが、今の私には難しいように思います。

願わくは、どうかどうか、私に質問が飛んできませんように…。

いや、違うでしょう。阿呆ですか私はっ。

嫌なことにも積極的に挑み続けていき、それを自身の成長に繋げていくと、就職活動の自己アピールで唇ずっぱく言ってきたはずでしょう。

逃げるな自分。逃げ腰の姿勢ではいつまでたっても成長しない自分のままだ!

かつて就職浪人をしていた私は、スーパーマーケットで働いていた時代がありました。そのときのチーフのお姉さんからよく言われていた台詞があります。

人前で働く上で大切なことは、とにかく、堂々としていること。分かんなくても、分からないなりに、前向きに対処していきなさい。完璧にできる人間なんて、そうそういないんだから

そうです。今から私にできることは、ただ堂々と、指導員として仕事をしていくだけなのかもしれません。足掻いたって何も変わりはしないから、キモチを整理していくことだけを第一に考えていきます。

こうして過去に出会った人たちの言葉が、今になって背中を押してくれているのを考えると、何だか嬉しい限りです。

明日、がんばろうか。

「すみません、ここが分かりませーん」と質問しに来る人がいたら、

「私も、分かりませーん」と、堂々と答えてみよう。

それじゃあ、仕事にならないか。

嫌なことを目の前に控えた、一社会人の戯言でした。