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心はいつも雨模様

文豪に引けを取らない迷文を書いていくブログ

指導する立場を経験した感想

迷文手記 仕事

「もっと分かりやすく教えてくれたらなあ」
 学生の頃、授業を受ける側の私はいつもそう思っていました。はあ、とため息をつき、窓の外をぼーっと眺め、太陽の光を受けてキラキラと輝きを放つ飛行機を見つけては「飛行機星発見!」と考えていたあの頃の若かりし自分が、いかにも生意気で、浅はかで、不真面目な人間だったように思います。
 先週、仕事でパソコン講習の指導員を行いました。実際に指導員の立場を経験してみて、分かりやすく教えることの難しさを、これでもかと痛感しました。今更ながら、教師や何かしらの講師など、指導する側で働いている人たちの偉大さを思い知らされました。世の先生方には頭が下がるばかりです。
 本当に、笑えないほどに失敗したから、仕事をしていく上での教訓として、しっかりと文章に残そうと思います。

なぜ指導員がこれほどまでに難しいと感じてしまったのか

  もともとパソコンの操作が得意であったり、熱中するほど好きな分野でもありませんでした。おそらくそれに尽きるのではないかと思います。文系の大学を卒業したのに、たまたまIT業界の会社から内定をいただき、ひいひい言いながら働いている、ただそれだけの話です。ですから突出した知識やスキルが私にはありません。予想もしない問題が起きてもすぐに対処できなかったりします。  

 今回も、数人の受講生がよく分からない操作を行い、私には見たことのない画面の状態が目の前に表示されました。もちろん私には何が起きているのかまったく分からなかったので、すぐに講師にバトンタッチしました。
 Excelの講習もありました。業務で多少Excelは扱っているけれど、特定の機能しか使っていないので、指導する知識としてはまったく役に立ちません。
 以上のことから、難しいと感じたのは、私の知識不足が大きな要因だったのでしょう。

ちゃんと努力はしてきたか。下準備はしてきたか

 努力をしてこなかったと言えば、その時点でそれが問題であるから努力すればいいだけの話です。しかし努力してもダメだったのなら別の問題になります。
 勉強はそれなりにしました。そして実際の講習はどの部分を進めていくのかを、上司に聞きに行きました。「まあここやって、ここやって、時間があればここをやるかもしれない。まあ、まだ決まってないんだけどね」
 上司のさじ加減で講義のすすみ具合が決まってくるので、それが混乱を招いたのかもしれません。
 本来ならば私以外に指導員がもう一人いるはずでした。しかし人手不足により、今回は私一人でやってほしいと言われました。
 私は訴えたい。こっちも人手不足だということを

人と話す機会が極端に少ないのが、指導員として失敗した原因

  人と話すのが嫌いなわけではないけど、超がつくほど苦手です。今回は人とコミュニケーションをとりながら、指導しなければいけませんでした。しかし初めての指導としての立場、そして苦手なコミュニケーションのダブルパンチが混乱を招きました。社会人は積極的に自分の考えを述べていかなければいけません。私の極度の人見知りがボディーブローのようにじわじわと仕事に支障を来していたのかもしれません。

そもそも会社側が難しい仕事を新入社員に押しつけている可能性もなきにしもあらず?

  パソコン講習の指導員は、新入社員が引き受けるのが、私の会社では毎年恒例となっています。しかし指導するやり方を教えてくれるわけではありません。中小企業なので、いちいち新入社員に教えるほどの余裕はないのです。「もちろん、できるよね」といった感じで頼まれました。研修のスケジュールもほぼ名前だけで、私の独学でした。
 それと私の会社は、コンピュータ系の専門卒のスペシャリストであったり、大学院を通っていた賢い人たちが新卒として採用される傾向にあります。私みたいに普通の文系大学卒、しかもパソコンの知識なんてまったくない、キーボードを見ないと文字が打てないほどのレベルが、みんなと同じように仕事ができるわけではありません。そう考えると今回の仕事は私にとって難しいものだったのかもしれません。しかし仕事なのでやらないわけにもいかない。それが社会人の辛いところでもあるのでしょう。

今後の対策

 今後また指導員を引き受ける可能性もあるので、同じ事を繰り返さないようにしないといけません。昨年は採用活動に失敗し、今年度は新入社員が入らないので、もしかすると、また私が指導員として白羽の矢がたつかもしれません。

 今回、初めて指導員をするので、仕事を行う前に「堂々とすること」を心掛けようと決心しました。しかしうまくいきませんでした。不安がそうさせたのでしょう。
 仕事が終わり、落ち込んでいた私に、先輩社員がアドバイスしてくれました。
「まず、分からずに質問してきた受講生に対して、どこがどう分からないのかをしっかりと聞くことが大切。君はたぶんそれができていなかったんだと思う。自分一人で解決することは、指導とは呼べないよ」
 なるほどそうかもしれません。私は一人で解決しようとしたのかもしれません。ならば次は相手の話にしっかりと耳を傾けていくことを意識していくようにします。もちろん、しっかりと勉強は怠らずに。

 たぶんそれくらいしかできることはありません。

 相手に分かりやすく教えるには、まずは相手が分からないことをしっかりと把握すること。今回の仕事で学んだことはそれだけです。やれやれ、経験による疲労と、経験による学習は、綺麗に比例しないものです。

 私はもう大人です。あの頃のように、のんきに窓の外を眺めては「飛行機星発見!」と心の中で呟くようなことはできません。社会人のお手本となるように、成長していかないといけないのでしょう。
 しかし、です。そのようなくだらない考えも、大切にしていきたい自分が、心のどこかにあったりするのです。

 

妄想手紙 ~幼馴染へ送る2~

妄想書簡集

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    マルイネコ様

拝啓…なんて滅多に書かないから今すごく新鮮な気持ちだよ。ポストの中を覗いた時、マルイネコからの手紙が入っていたから本当に驚いた。丁寧に封をした手紙を見て、相変わらず物好きだなあと、つい笑ってしまったよ。
 東京は、ポツポツと桜の花びらが色づき始めているところもあれば、もうすでに満開のところもある。でもそんなことは関係なく、桜さえあればどこもかしこも周りは人だらけなので、僕は、同僚や友人に誘われない限り桜に近づくことはないかな。せいぜい彼女と二人で遠くから桜を眺めるのが、僕の花見のスタイルだと思う。
 大阪の暮らしはどうだい?仕事は慣れてきたかい?1年はあっという間だからやっぱり慣れないことが多いよね。僕は東京で、マルイネコは大阪で、お互い日本の主要な都市で働いていることになるけど、今考えると本当に不思議だよね。山口県の、周りが山と田んぼしかない田舎町で育ち、あぜ道で虫を探し回ってたアホな少年が、今となっては都会でせっせと働いているんだから。
「内定を取り消したい」と確かにメールで送ったけど、別に悲観的ではなかったよ。泣きついてもいない(笑)むしろ前向きな考えだった。僕はいろんな会社から内定をもらってて、じっくりと考えて一つに選んだんだけど、でもやっぱりそれは自分のやりたい仕事ではなかったから、入社すべきではないと思ったんだ。でも奨学金のこともあったから、結局入社することにして、今に至る感じかな。けっこう順調だよ。時々上司に褒められたりする。それがちょっぴり嬉しい。僕は何とかなってるよ。
 それよりマルイネコのことが僕は心配だったよ。公務員試験、筆記試験はすべて通過したのに、面接試験で全滅したと聞いたときは本当に驚いた。「人生オワタ」って笑いながら電話してきた時、僕は素直に笑えなかった。未だに信じられないけど面接で何かしでかしたのかい?その後腹痛で倒れ、それでも何とか民間企業に滑り込んだと友人から聞いて、さすがやるなあ、と思ったよ。普通の人なら心が折れる。でも無理は禁物だよ。長く勤めればいいってもんじゃないから。どんな仕事でも、自分にとって価値のあるものを見出せなくちゃあ意味がない。
 あんまり仕事のことを話しても堅苦しいし、せっかくだから昔の話でもしようよ(笑)
 僕たちが小学1,2年生の頃だったかな。当時仲の良いグループで僕の家に遊びにきたときがあったよね。その時の事件覚えてる?僕のとーちゃんが海外出張でお土産で買ってきてくれたジャッキー・チェンの人形、僕はその人形がとても気に入っていた。左のボタンを押すと左パンチを繰り出し、右のボタンを押すと右ストレートを繰り出す。それをみんなの前に披露すると「お~」とみんな驚いてくれた。その後「貸して貸して」とみんなが言ってきて僕は渋々貸した。
ゆうちゃん「かっこいいな~」
りょっぱ「しびれるねー」
ひかる「作りが精巧だね」
マルイネコ「面白い顔だね」
 マルイネコから僕の手に渡ってきたとき、ジャッキー・チェン人形がおかしくなっていることに気づいた。左ボタンを押すと左腕が真上をパンチし、右ボタンを押すと右腕が右斜め上をパンチする。いかにも不気味な万歳をその人形は披露した。それを見てみんな無表情だったけどマルイネコだけはお腹を抱えて笑ってた(笑)とーちゃんからもらった大切な人形は二日で駄目になった。今となっては爆笑ものだけど、当時の僕は結構ショックだったんだよ(笑)
 犯人は大笑いしたマルイネコになったけど、あれは本当にマルイネコがやったのかい?
 長くなったけど、こんな感じでいいかな。手紙を書くのは学校の行事で成人になった自分に宛てて書いた、その一回きりだから、なかなか書くのは難しい。でも書いているうちに楽しくなってきたから、文通って実はすごいんだなって思ったよ。
 それじゃあ手紙待ってるよ。
 そっちも体調には気を付けてね。
                                             敬具
 2017年4月1日

                                      ヤマジュンより

 

aimaru105.hatenablog.jp

 

今週観た映画『キングコング:髑髏島の巨神』の簡単な感想

映画 迷文手記

映画の簡単な感想

 巨大生物のリアルさと迫力さの両方を兼ね備えた映像が魅力的で、観るものすべてを圧巻の渦に巻き込むような、そんな映画だった。洋画はあまり観ない(というか映画はそれほど詳しくないので観るたびに新鮮さを感じている)ので、どんな感じなのか不安だったが、映画が始まるとすぐに不安は払拭され、迫力のある世界観に浸ることができた。結構グロテスクな部分もあるので、観るときには注意が必要。最初は誰が主人公なのか分からなかったが、次第に「ああこの人は生き残ってほしいな」と思う人が生き残ってくれたので、おそらくその人が主人公なのかな。パッカード大佐のキングコングに立ち向かう姿は、ハラハラドキドキさせられた。「きっとどこかでやられちゃうんだろうなあ」と思いながら。パッカード大佐の揺るぎない信念を見ていると、それは時に間違った方向へと進んでいってしまうのだと改めて考えさせられた。その融通の利かない信念こそが、戦争の引き金になっているのだと感じた。とても深い映画だなと思った。

劇場内での出来事

 キングコングの投げた巨大な木が、ヘリコプターの真正面から突き刺さった時は、少々驚いた。そのシーンの時は、音が消える技法を使い、ストーリーの展開を際立たせるようにしていたので、劇場内は鑑賞者の寝息が聞こえるくらいの静寂に包まれる。
 その静寂に包まれた、まさにヘリコプターに木がドスンと突き刺さったシーンの時に、どこかの女性の鑑賞者が「うぇ~ん」とおかしな呻き声を上げた。
 すると周りの鑑賞者が皆一斉にフフっと笑い声を上げた。もちろん私も笑った。
 驚いた気持ちは分かるよ。でも「うぇ~ん」は面白すぎるよ「うぇ~ん」は。
 エンドロールを迎えて、帰ろうとしたとき、隣の席に真剣にエンドロールを観ているおじさんがいた。前を通ったら申し訳ないと思ったので、私もエンドロールが終わるまで劇場内にいることにした。すべてが終わり、劇場内が明るさを取り戻したとき、そのおじさんは白目をスクリーンの方に向けたまま、爆睡していた。
 まったく、この映画館には、面白い鑑賞者が、はびこっている。