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心はいつも雨模様

文豪に引けを取らない迷文を書いていくブログ

妄想手紙 ~幼馴染へ送る 4~

妄想書簡集

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   マルイネコ様

 長い長い手紙をどうもありがとう。僕は読んでて苦痛ではなかったけど、マルイネコは大変だったんじゃないかな?確かに、お互い簡潔にまとめるべきではあるけど、くだらない文章をだらだらと読むのも僕は好きだから、マルイネコは別に今のままで良いよ。でも、なるべく自分の時間を大切にね。

 そうかあ、しばらく連絡を取れずじまいだったから、彼女のこと、話してなかったのかあ。二次元の彼女ほど空しいものはない(笑)それは僕もちゃんと把握してる(笑)れっきとした三次元の恋人だよ(笑)

 彼女と関わりが始まったのは、就職活動の会社説明会のときなんだ。もちろん僕はまだ就活生だった。よく分からず各会社を巡っていて、適当にとある会社のブースに入って、説明を聞くために椅子に座った。その時、たまたま僕の隣に彼女がいたんだ。
「隣、いいですか」
「どうぞどうぞ」
交わした会話はそれだけだった。それだけなら永遠に赤の他人だったんだけど、なんと偶然にも、会場の近くにある定食屋でも彼女と席が隣になったんだ。その時に、就職に関しての情報交換を軽くして、それで終わった。それだけなら会社説明会で顔合わせをした、ただの就活仲間だったんだけど、偶然は重なるもので、面接に行った会社でも彼女とまたバッタリと出逢ってしまったんだ。その時、僕は「奇遇ですね」と『夜は短し歩けよ乙女』に出てくるフレーズをポン、と口にした。
「本当ですね」と彼女は言った。
面接の順番は、たくさんの就活生がいる中で、僕そして彼女の順に決められていたから、またしても隣同士。またまた偶然が重なったというわけ。
僕の番が回ってくる。
「撃沈してまいります」と僕は軽く冗談を言った。
すると彼女はクスっと笑い「私も後を追います」と冗談を返してきた。
それが本当に冗談だったのかは、今もよく分からない。でも、もしかすると、お互いこの時、すでに惹かれあっていたのかもしれない。いや、会社説明会で隣同士になった時から、僕たちは意識していたのかもしれない。

 そんな感じだよ。人生とか、男女の仲とか、分からないもんだよ。マルイネコは良いものだとは思っているだろうけど、お互いこれでも苦労はしてる。それに、恋にも寿命がある。僕は思うんだ。寿命ある愛や恋を、いかにして引き延ばしていくかが、大切なんじゃないかなあ、と。何を言ってんだか。

 仕事の話になるけど、マルイネコが言うように、順調ではあるけど、僕が望んだような職じゃないから、不満はいつもあるよ。これからだらだらと続けていっても、本当に心から望んでいるものは、得らないのかもしれない。でもね。ほとんどの人って、その満足しない中で頑張っていて、できるだけ小さな満足を得られるように、日々頑張っているんだよね。その…僕は、怖いんだよ。本当にやりたいことやる、と言いながらも、実際には逃げることになりはしないか、ということに。

 僕はいつまでも小さな世界の中で生き、あるふれた幸せを手にする為に頑張るのか。それとも、辛くてもいいから、自分が満足できるような日々を送るために頑張るのか。選びきれないどうしようもない葛藤が、いつまでも僕をモヤモヤとさせるんだ。

 話題に出すだけで懐かしい。ジャッキーチェン人形の真相はやっぱり藪の中かあ(笑)まあ、今更突き止めても、どうにかなるもんじゃないし。思い出は無闇にいじくらないほうが、良いのかもね。不気味に壊れたジャッキーチェン人形は、あの後、隣の家のジョンにあげたよ。あ、ジョンは犬のことね。ちょうど良い遊び道具になってくれて、それはそれで良かったのかもね。人形の首はもげたけど。

 そして、確かにあのときの僕はどうかしてた。そのアホさ加減が今となっては愛おしい。子供というものは単純で、隠しきれない気恥ずかしさを、どうにかして阿呆な行動で誤魔化したがるんだ。でも、当時は、そうするしかなかったんだ。

 それにしても、先生はあの手紙を今も大切に持ってくれているのだろうか。

 それと、あの手紙にことはなかったことにしてくれないかな…。

 やっぱり、今でも恥ずかしい…

 春子に手紙を送ったのかい!いやあ…ずいぶん度胸がある(笑)僕の方は遠慮しておくよ。たとえ手紙のやりとりでも、僕はたぶん昔のままヘコヘコしてばかりになると思うから(笑)春子の気の強さは、たぶん宇宙並だと思う。

 しかし最近は春子も苦労してるようだから、マルイネコの手紙がもしかすると救いになったりするかもしれないよ。お互い楽しくやりとりしてね。

 ゴールデンウィークは仕事で実家に帰れそうにないんだ。ごめん。でもね、聞いて驚くことなかれ。5月の後半にみんなの休みが重なりそうなんだ。なので、みんなでマルイネコのところへ遊びに行こうと計画してるんだが、どうだろうか?もちろん春子もいるよ。その時にいろいろ話でもしよう。

 またしても長くなってしまった。

 それじゃあ、連絡まってる。

 2017年4月29日

                            ヤマジュンより

 

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aimaru105.hatenablog.jp

 

 

 

睡眠写真

迷文手記

私は眠りが浅い。

それ故、変な夢をよく見るし、夜中に目が覚めたりもする。

浅い眠りが起因しているのか、朝はとてつもなく弱い。

目覚ましが鳴っても、起きられない。

目覚ましを止めて、やっとこさ体を起き上がらせても、5分くらいはボーっとしてる。

眠りが浅いのは、昔からそうだったけど、最近は特にひどいような気もする。

そのひどいと思う理由は、朝起きたらスマホのカメラが起動しているからだ。

私という人間は、真夜中の時間帯に、無意識のまま、寝ぼけ眼で、スマホで写真をとっているらしい。

フォルダを確認してみると、訳の分からない写真が保存されていたりする。

今回保存されていた写真はこれ。

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これは一体なんなのだろうか。

宇宙生命体?

竹の子?

遠くから眺めると、アサリの足にも見えてくる。

いや、ナメクジの尻尾のようにも見える。

ナメクジって尻尾はあったっけ?

どうでもいいや、そんなの。

これからは、深い眠りを手に入れるために、いろいろ工夫を凝らしていきたい。

そんなことを今日は思った。

※写真はおそらく指の先っぽです。

 

Webライター戦記 ~悪夢~

迷文手記 仕事

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自分の書いた文章がお金に代わるなんて、とっても素敵なことですよね。まるで作家のように想像力を働かせてお金を稼ぐのですから、たとえ辛くてもやりがいがあるからとても楽しいです。自分の思いが誰かに届くことを考えると、嬉しさが胸の底からふつふつと込み上げてきます。

これから先いろんな案件に挑戦し、相手の心を揺さぶるような記事をたくさん書いて、少しでも世の中に貢献していきたいです。していきたいです。いきたいです。いきたい…。いき…。

「よかろう。それならここに書いて欲しい案件が腐るほどあるから、頼んだよ」
「任せてくださいな。私でよければ何でもお引き受けいたしますよ」
「じゃあはい」ドサドサ。←大量の案件が目の前にうず高く積まれる音。

”介護業界について1000字以上で述べてください。です、ます調でお願いします。報酬は100円です。悲観的な部分が入っていると却下です。指定の介護施設について紹介してください。1000字で報酬は100円です。指定事項に反する記事は却下です。悲観的な内容は極力避けてください。不動産投資について詳しく述べてください。専門家目線で書いてください。できるだけ不動産投資をやりたくなるような内容を書いてください。1000字で150円です。脱毛のメリットについて、脱毛の種類について、脱毛の経験談について、脱毛をした方が良いと思いたくなるような記事を書いてください。1000字で報酬は100円です。稚拙な文章や信ぴょう性に欠ける内容はすべて却下です。指定の保育園について書いてください。IT業界について転職活動に有益な情報を述べてください。すべてすべてすべて1000字以上で100円です。”

「あのう…」
「なに?なにか文句でもあるの。仕事をもらえるだけ感謝しろよ」
「しかし、これはいくらなんでも報酬が安い気が…」
「うるせえ」バサバサ。←大量の案件を投げつけられる音。
「書くと言ったからには書けよ。やらないなんてそれは無責任だ」
「嫌だ嫌だ嫌だ書きたくない」
私は逃げる。でも逃げても逃げてもあいつからは逃げられない。
私はすぐに捕まる。そして大量の案件を体中に乗せられる。
ぐええ…苦しい…助けて…助けて…
    ・
    ・
    ・
私は目を覚ます。悪夢にうなされていたようで、額から変な汗が流れている。上からの異様な重みが苦しい。

どうやら自宅にある2メートルほどの巨大万年筆が何かの拍子に倒れ、私の首もとをじわじわと圧迫していたらしい。これはへっぽこライターグランプリで見事優勝し、記念品としてもらったものだ。サンドバッグ仕様になっていて、嫌なことがあったらこれに向かって殴ったり蹴ったり、ストレス発散できるように作られている。まるでライターの仕事が鼻から不毛であると言わんばかりに。

重さは実に約30キロある。おそらくその重みが原因でこのような嫌な夢を見たのだろう。いやしかし驚いた。まさか夢にも心を食い潰す悪魔のような案件が出てくるとは。

理想と現実の乖離は実に残酷なもので、私の書いた文章は皮肉なことにゴミのように扱われ、そして、消えてなくなる。虚しさを心に秘めるのもライターとしての運命なのかもしれない。

窓の外を見る。インクのような黒い雨が降っている。気味が悪い。

私は万年筆型の煙草を口にくわえ、そっと火をつける。

まっさらな原稿用紙を思わせるかのような白い煙が、天井にゆらゆらと昇っていく。

それでも私は書いていく。

目の前に案件がある限り。